チヌ(クロダイ)を釣ろう 3

波止釣り 実釣

さて、今回は電気ウキでの具体的な釣り方をご紹介しましょう。

秋になると小型ながらチヌの数釣りを楽しむことができます。

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【電気ウキ釣りってこんな釣り方】

1   釣り場へと到着したら、足場の良い釣り座を決めます。次に竿を伸ばし、薄暗くなってきたら電気ウキの灯りをつけて下さい。

電気ウキ①

チヌは日が落ちるとエサを求めて接岸してくるのでテトラポット(半夜は危険なので初心者はだめ)や捨て石周り、波止際、スリット部分などが好ポイントとなります。

 

2    エサは青イソメがおすすめ。

青イソメ

 

1パック500円もあれば充分です。外道にはスズキ、ガシラ、メバルなども混じり、今の時期ならタチウオなんかも釣れることがあります。また、良型チヌに照準を絞るなら何と言ってもマムシ(岩イソメ)がおすすめ。ジューシーな体汁がチヌの食欲をそそります。青イソメ、マムシ等の環虫類は関西で「虫エサ」と呼ばれ、体全体が発光するのでチヌの半夜釣りには抜群の効果を発揮します。

3   エサの刺し方は縫いざし、通し刺し、チョン掛けが一般的。小さな(短い)エサの場合はチョン掛けで房掛けにします。エサが弱ればすぐに交換して下さい。

4   ウキ下(タナ)は底いっぱい(海底スレスレ)がベスト。海底に沈んでいる捨て石の上をエサが漂うようにします。ただし僕の経験上、テトラ際などではかなり上層まで浮いてくることもありました。アタリが出ないときは思い切ってウキ下を浅くしてみるのもよいでしょう。

5   ウキ釣りには重要なテクニックとして「誘い」があります。誘いとは仕掛けを流す際、道糸を張ってウキを止め、再び道糸を緩めてやることを言います。誘いをかけると別図のようにエサが浮き上がり、魚には絶好のアピールになるようです。張った直後の糸を緩めるとエサはフワフワと沈下。アタリはこの瞬間に出ることが多いようです。

潮流と仕掛け②

潮流と仕掛け①

別図

「誘いをかけた直後にはウキの変化に集中する」ということを憶えておいてください。

 

6   アタリはウキがチョン、チョンと押さえ込まれた後にゆっくりと波間へ消えていくことがほとんど。

しかし、ここであわててはいけません。

ウキの灯りがぼやけ、完全に見えなくなってからアワセるようにして下さい。また、チヌに限らず一気に消し込まれるようなアタリは小型(アジやセイゴ等)であることが多いようです。

7   チヌが掛かればガツンとした手応え。底へ底へと突進するその引きは小型でも強烈です。大型の場合は充分に竿でため(魚の引きに耐える)、ゆっくりと寄せてからタモですくうこと。その際、電気ウキの位置にはご注意を。魚の取り込みに夢中になっていると穂先部分までウキを巻き込んで破損してしまいます。「わしゃあー、竿よりチヌの方が大事や!」という方はそれでも構いませんが・・・。なお、くどいようですが取り込み時には、ライトで海面を照らしてはいけませんよ。

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8  闇の中の夜釣りでは周囲の状況が確認できません。仕掛けを打ち返す際は電気ウキをつかんでから手探りでエサの位置を確認するようにして下さい。

 

【狙うポイント】

注目すべきポイントテトラポット(半夜は危険なので初心者はだめ)や波止際、スリットなど。中でも意外なところは捨て石周りで昼間は底が澄んで見えるほどの浅場(水深が1ヒロ程度)。捨て石さえ入っていれば夕暮れと同時にチヌは必ず寄ってきます。初心者には堤防内向きの捨て石周りなどがおすすめです。

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タナ(ウキ下)は、先ほども触れましたが海底スレスレが基本。テトラ周りでは深くするよりもテトラ際を浅ダナで狙う方が効果的。また、波止際ではイガイの付着している満潮線付近が狙い目となります。周囲で釣れているのに自分だけが釣れなかったり、アタリが遠くなってしまった時などは、マメにウキ下を調整することも憶えておきましょう。

【ワンポイントアドバイス】

早アワセは厳禁

アタリは「ツンツン」や「モゾモゾ」(これらを前アタリと言います)とウキに変化があってからジワーッと沈んでいくことがほとんど。前アタリばかりでなかなか沈んでくれない時は道糸を張り気味にしてやると海中へ消えていきます。早アワセをすればエサが食いちぎられるだけで針には掛かりません。「飲み込ませて釣る」というイメージで、ウキの灯りが完全に見えなくなってからアワセを入れるようにしましょう。

濁りが出れば絶好

チヌは好奇心が旺盛である一方、警戒心が強いことも特徴のひとつ。

潮が濁っていれば警戒心も薄れて釣りやすくなります。雨後は潮が濁り、チヌ狙いには絶好。また、大阪湾では風向きが釣果に影響することが多く、南寄りが吹けば潮が濁って好条件。逆に北寄りの場合は潮が澄んで水温も低下し、厳しい状況となります。参考までに。

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河口付近には以外な穴場が

大河川の河口域(関西では淀川、大和川、紀ノ川、武庫川等)はエサとなるプランクトンが多いため魚種も豊富。中でもチヌ、ハネは大変濃いポイントになっているということをよく耳にします。釣れるチヌは汽水域ということから「キビレチヌ」が中心。今の時期なら少し多め(1000円分程度)の青イソメを持参してみましょう。日中はハゼ、日が暮れたらチヌ狙いと楽しみも倍増です。

セル石増井

 

日没前後の満潮時が狙い目

潮が込んでくるとチヌはかなりの浅場でも接岸。あわせて濁りが入っているようなら条件はより抜群と言えます。超浅場といえども軽視してはいけませんよ。

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大潮の日+満潮時間が日没前後+濁り、これらの条件が全て満たされれば高い確率で釣れると思います。にもかかわらずボーズになってしまった時は・・・。

諦めずに再びチャレンジして下さい。

釣りは自然相手の娯楽。データどおりにはいかないところが面白いのです。

次回は関西のおすすめスポットなどを紹介していく予定です。

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