(番外編)東大阪市親子釣り教室レポート②

波止釣り 実釣

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あっという間の一週間が過ぎた5月最後の日曜日、今日は第2回目の釣り教室です。

前日からの雨もあがり、朝早くから続々とチビッコたちが教育センターへとやってきます。

本日も前回同様、午前9時30分に講義が開始されました。本日の第1時限目は「エサについて」。もちろん、最近流行のルアーやフライの話をまじえた解説です。担当講師からは、淡水魚の食性などを説明した後、実際釣り場で使うエサについてはイラストをもとに紹介していきます。また、フナやコイを狙う場合はできるだけ安上がりに釣りを楽しんでもらえる秘訣なども紹介。安価な「食パン」をエサに使ってもらうことを勧めています。食パンは、関西ではヤマザキ、シキシマ、神戸屋などがあげられますが、中でもきめ細かい素材である「ヤマザキ・デイリーブレッド」が抜群。他に、「新食感宣言」なんかも実績があるということ。そう、あのモチモチとした食感がコイやフナなんかにも、うけるようです。最近の魚たちも口が肥えてきました。本当に贅沢な奴らですね。生徒からは「ほー、そんなんで釣れるのー」と疑問有り気な表情。講師は自信に満ちあふれた声で「騙されたつもりで一度お使い下さい。夕方に食パンを水面に浮かべれば、きっと大きなコイが顔を覗かせてくれますよ」とのことでした。本釣り教室でも、次々回予定している現場実釣編でそのベールがきっと明かされることでしょう。

午前10時を過ぎ、続く第2時限目はいよいよ僕の出番。「淡水魚の紹介について」の解説です。徐々に鼓動が高まり、あぶら汗が湧き上がってくるのが分かります。教室の前夜、どのように説明しようかと悩んだあげく、チビッコが多いため、スライドを使っての解説とすることに決めました。そして、池や川で身近に釣れる魚として、ヘラブナ、コイ、オイカワ、アユ、ワカサギなどをはじめ、最近密放流などにより話題となっているブラックバスなどの外来魚、さらには絶滅の危機に瀕しているイトウやニッポンパラタゴといった魚たちまでも紹介させていただきました。最初のうちは「コイやー」、「アユやー」などと、スクリーンにかぶりついていた子供たちではありますが、このスライドでさえも20分を経過した頃からあくびをしたり、退屈な態度をあらわす子供たちが・・・。

40分程度で僕の説明は終わり、ホッと一安心といったところ。続いては「川・池での釣り方について」。つい先ほどエサやルアーの説明をした淡水に詳しい講師が再度の登場です。釣り場でのポイント説明など、かなり専門的な内容に突入している模様。その熱弁にお父さんやお母さん方は真剣な表情で聞き入っています。横でザワザワと騒ぎ出す子供に対し「もうー、静かにしなさいーっ」、の声と同時にお母ちゃんのきつーい平手うち。「バチッー」愛情のこもった一発です。さすがにテーマどおりの「親子ふれあい釣り教室」。とても温かい光景に感動するとともに、横で見ていた僕は思わず心の中で「痛いっ」と叫んでしまいました。

午前11時40分からは「釣りのマナーとルールについて」の説明を50分間。釣りを始めてもらうにあたってはとても大事な内容です。「集中して聞いて下さい」と言いたいところですが、ご父兄方に期待することにいたしましょう。

講師からは、混雑した釣り場での対応やゴミの取り扱い、さらには大阪府でも条例化されたブラックバスの移植制限についての注意点などが説明されました。今後も若年層を中心に釣り人は急増加する傾向にあります。そのため、釣りのマナーとルールについては、小さいうちから徹底しておくことが肝心と言えましょう。ご父兄方、くれぐれもご協力のほど、よろしくお願いいたします。

そして、本日出席されたボーイスカウト連盟所属の釣りインストラクターからは、連続した講義に見かねて「ロープの結び方」を実演指導。退屈だった子供たちも途端に腹をすかせた魚のように興味を示しはじめました。もちろん、昨夏キャンプの某河川事故の悲劇をご覧になった父兄方も「これを憶えておかないことには、命にかかわることや」と必死な様子。少ない時間ではありましたが、チビッコと父兄が一体となり、何度も何度「モエン結び」を練習したのでありました。

ロープ結びに夢中ではありましたがお昼の時間を迎えることとなり、講師陣は揃って近くの洋食屋さんへと直行。ボリュームたっぷりのランチをいただいた後、午後からの実技指導に備えて最終のミーティングを行うことにします。

午後1時30分、「釣りをはじめる前に」と題して、釣り場での諸準備(竿とリールのセットやキャスティング、ウキ下の取り方など)の解説を始めることに。これについては、センター隣の小学校にあるプールとグラウンドでの指導となります。マイロッド、マイリールを持ってきた子供らにはもちろんそれらを使ってもらい、持っていない方については事前に用意しておいたものを貸し出すことにしました。

子供たちにとっては「やっと、外で竿を持たせてもらえる」といったところが正直な気持ちではないでしょうか。本日の出席者は親子24組ということで、8組づつ3班に編成。順次、名前を読み上げて各班に分かれてもらいます。一方では、高価なロッドやリールを持参する子供たちがいて驚かされる場面も。釣りは道具がすべてではないということも子供たちに教えなくてはいけませんね。(高価なタックルを持っていない僕個人の負け惜しみですが・・・)そして、各班には2~3名のインストラクターが随行し、指導していくことになりました。

第1班の生徒たちは、プールにて「ヘラブナ釣り(ウキ釣り)時におけるタナの取り方」を指導、第2班と第3班の生徒たちはグラウンドで「ルアー竿を使ってのキャスティング練習」です。

ちなみに僕は第2班でのキャスティングを担当。まずは、スピニングリールをロッドにセットするところから丁寧に説明していきます。中には、「そんなこと、分かってるわ」という感じで冷たい視線を送る子供もいましたが、竿も握ったことがない生徒もいることから気にせずに初歩の初歩から教えていくことにしました。また、リールのローラー部分に糸を引っ掛けずしてガイドへと通している子供がいることに気付きました。これでは糸が巻き取れませんね。ということで、簡単にスピニングリールの構造なども解説することに。次に竿を継いでガイドへラインを通し、そしてルアーの代わりとなるゴム製のシンカーにラインを結ぶ説明も行いました。

さあ、いよいよキャスティング動作の説明です。20メートルほど前方に目標物として、パイロン(工事現場にある赤い三角のポール)とバケツを置き、それをめがけてキャストしてもらうことにします。6フィート(1.8メートル)のワンハンドキャスト(片手投げ)ロッドではありますが、不慣れな生徒には竿尻に片手を添えて投げさせることにしました。キャスティングは、人差し指にひっかけたラインを離すタイミングがポイント。「ロッドが頭上を通過した瞬間、すなわち時計の針にたとえると、12時から11時の間に指を離すイメージで」と指導しましたが、「皆さん、分かりにくかったですか?」

また、「片手で投げるときは、手首のスナップを利かすだけでいいですよ」や「投げるときには、後ろに人がいないか確認して下さいよぉー」と、一言二言注意を入れますが投げることに夢中になっている子供たちは聞く耳持たずといった感じです。中には「どりゃーっ」と、全身の力を振り絞ってキャストし、パイロンを軽々と超えていくこともしばしば。投げ釣り教室と勘違いした子供がいるので、「ルアー釣りでのキャスティングは距離よりも正確さが大事です」と注意。狙ったピンポイントへ確実にキャストできるようになれば一人前です。子供たちの皆さん、立派なルアーマンを目指してがんばってください!

一方、あるお父さんは子供に対し「面を打つように真上から」とか、「指を離すタイミングが早い」などと気合いのこもった指導により、僕らインストラクターが付け込むスキはありません。でも、これが本当の「親子のふれあい」。巨人の星の星一徹と飛馬のようで、見ていてもうらやましく思えるほどです。一瞬でしたが、今回のテーマが達成されたような気がしました。

そして、校庭の隣にあるプールを覗くとそこは「土足厳禁」。ふたりのインストラクターが懇切丁寧に時間をかけて「タナ取り法」を指導中です。みっちりと、プールサイドに座り込んでの指導に親子のみなさんは真剣に聞き入っている様子でした。何と、本格的なヘラ用竿受けまでがプールサイドに登場していますよー。約50分間隔で各班はキャスティング練習からタナ取りの指導へとローテーション。午後4時前には各班とも、ひととおりの実技指導を終えることができました。

そして講義を行っていた教室へと一旦戻り、2日間の釣り教室を振り返っての質問などを受けることに。「何か質問はありませんかー」と声をかけましたが、キャスティング疲れのせいか、親子ともどもすでに放心状態。明日は学校や仕事もあることですから、今日は早く帰宅してもらった方がいいみたいですね。

てなわけで、第2回目の釣り教室も何とか無事に終了。1日がかりではありましたが、とっても充実した内容に満足。(と、自分では思っている)

釣り教室の生徒の皆さん、もうすぐフィールド(釣り場)へと繰り出せますのでそれまでは一緒にがんばっていきましょう!

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