第9回 波止釣りの基本仕掛けについて(後編)

波止釣り 講座

第9回目の波止釣り講座は、前回に引き続き、波止釣りにおける基本仕掛けをご紹介いたします。

1.探り釣り仕掛け

探り釣り仕掛けは、活きエビをエサに使い、深場にいるメバル・カサゴ(ガシラ)・アコウ・アイナメ(アブラメ)などを狙う場合に準備します。

この仕掛けは、3本針の胴付きスタイルが一般的です。胴付きスタイルの特徴は、オモリが下に付いているためハリスなどの絡みがなくまた、仕掛けがピンと張った状態になるので、穂先には、はっきりとしたアタリが出ます。

釣り方は、波止際の底付近や少し投げて沖の沈み根、捨て石付近を探るようにします。

2.落とし込み釣り仕掛け

落とし込み釣り仕掛けは、カニやイガイなどをエサに使い、クロダイを狙う場合に準備します。潮が濁っている時など、条件さえ良ければ、真昼でもチヌを仕留めることができます。

この仕掛けは、針の軸に「ガン玉」と呼ばれるオモリを付け、発泡シートやビニールパイプなどで作られた目印仕掛けを使います。全国でも人気のある釣り方なので、仕掛け(完成品)が数多く市販されています。
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釣り方は、波止際スレスレにゆっくりとエサを落とし込んでいきます。そうすると、エサが潮の流れに乗って自然に落ちてきたように演出され、クロダイの警戒心を解きます。また、落とし込み釣りは一瞬の目印の変化でアタリを取り、掛けあわせないといけないので、テクニックのいる釣り方です。目印仕掛けの代わりに蛍光色の道糸を使用する方もおられます。
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この釣りは夏場が最盛期であり、また、ゴルフのように歩き回らないといけないので、まさに体力のいる釣り方です。

釣果を伸ばすためには、ひたすら波止を歩きつづけ、何回も仕掛けを落とし込むことです。

3.コスリ釣り仕掛け

コスリ釣り仕掛けは、夜釣りでイソメ類をエサに使い、波止際に着いているチヌやスズキを狙う場合に準備します。

コスリ釣りは夜釣りで、仕掛けが見えにくく絡んだりするトラブルが多いため、いたってシンプルなものになっています。

この釣り方は関西圏独特のもので、名前の通り波止際をこするように釣るのですが、ハリスが波止際の貝などにすれて傷つきやすいのが難点です。

チヌを狙う場合、現在では、落とし込み釣りが中心となっていますが、20~30年前の大阪湾のチヌ釣りといえば、夜のコスリ釣りが最もポピュラーな釣り方であったそうです。関西では今でも根強いコスリ釣りファンがたくさんいます。

落とし込み釣り同様、足でかせぐ「攻め」の釣りです。

4.ズボ釣り仕掛け

ズボ釣り仕掛けは、活きエビやイソメ類をエサに使い、波止際伝いに移動する、スズキやクロダイ(チヌ)などを狙う場合に準備しまこの仕掛けは、とてもシンプルですが仕掛けを一気に海中へ落とすと、意外にハリスが絡んだりします。ゆっくりと海中へ落とすようにしてください。

釣り方は、穂先でアタリをとります。また、1~3号のオモリを使いますが、いくら潮の流れが速い場所でもこれ以上のオモリを使うと、穂先が負けてアタリがとりにくくなります。

波止際に2~3本の竿を並べ、仕掛けをたらしておくだけで大型のスズキやチヌをゲットできるため、関西では人気のある釣り方です。

呼び名のとおり、ずぼらな釣り方ですが、油断をしていると一気に竿を持っていかれますのでご注意下さい。尻手ロープをつけてクーラーなどに結びつけておくとよいでしょう。
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探り・落とし込み・コスリ釣りとは対照的な「待ち」の釣りで以上、波止釣りにおける基本仕掛けについては、2回の連載を通じ、8パターンをご紹介させていただきました。

どうしても仕掛けを作れない方や作る時間がないという方については、対象魚に応じた、さまざまな仕掛けが店頭に並んでいます。それらを利用してもよいでしょう。

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