待ち遠しい春が到来。いよいよ波止釣りシーズンの開幕です。今回はビギナーでも簡単に釣れる「ウミタナゴ」を紹介したいと思います。
ターゲットの紹介
今回の標的は春告魚としても有名な魚。また、「胎生」(魚類にもかかわらず卵ではなく仔魚を産む)という珍しい特徴の持ち主でもあります。
日本全国の沿岸域に分布するウミタナゴのベストシーズンは3~5月。釣れるサイズは15~20センチのものがほとんどですが、産卵期には25センチクラスの大型が混じることもあります。
ポイントは主に藻が多く繁る捨て石や岩礁帯の周囲。波穏やかな浅瀬で小さな群れを形成しています。味は淡泊。とはいえ、関西近郊ではあまり食さないようですね。しかし、一部の地方では煮付けや塩焼きにして珍重されているようです。
ウミタナゴはメバル同様、仕掛けトラブルの少ない「ウキ釣り」で狙ってみましょう。
持参するタックル(道具)の確認
4.5~5.4メートルのノベ竿
前々回のメバル釣りと同じタイプのもの。細身・軽量の渓流竿が扱い易く、携帯にも便利です。
~仕掛け・小物類~
玉ウキ
玉ウキのサイズは直径2センチ程度のものを使用。カラーは黄色や橙色がほとんどですが、海面がオレンジ色に反射する夕まずめ(黄昏時)にはウキが見にくくなるので、上半分をマジックで黒く塗りつぶしたものを準備しておけば万全でしょう。
道糸・ハリス
道糸はナイロンの1~1.5号。ハリスはフロロカーボンの0.8~1号を持参しておきましょう。
ゴムカン、サルカン
ウキを固定するゴムカンと小型のサルカンを持参します。
ガン玉またはカミツブシオモリ
ウキの浮力に適合するオモリを持参します。
針
ウミタナゴ針の3~5号。チヌ針の0.5~1号、アブミ針の5~7号などを使用。口の小さいウミタナゴを狙う場合は小針が鉄則です。
仕掛け巻
作った仕掛けを巻いて釣り場へと持参しましょう。針を結んだハリス部分のスペアは多めに持参すること。
エビ活かしバケツまたはクーラー
大量のエビを必要としないので小型のエビ活かしバケツで充分。エアーポンプの電池は釣行前に必ず確認し、予備の電池も忘れずに持参すること。
玉アミ(タモ)
念のため持参しておきましょう。柄の長さは5メートル程度のものが適当。
マキエシャク
当たり前のことですがシャクは水切り穴のないものを購入すること。(水切り穴のついたエビ撒き用とは違うもの)
シラサエビ(モエビ)
メインとなるエサは小粒のシラサエビ(モエビ)。その他、青イソメ、石ゴカイ(ジャリメ)、オキアミ、関西でよく使われるサシアミなどでも釣れます。
アタリがあってもなかなかヒットしてくれないのがウミタナゴ釣り。エサは小さく針付けするように心がけましょう。
アミエビ、パン粉(マキエ)
活きたエビを撒くとエサ代が高くつきます。それではどんなものを使うのか?読者だけにとっておきの情報をお教えしましょう。庶民的波止用コマセ、その名も「こんなんで釣れまっせ」。
これはアミエビ1ブロック(2~300円程度)とパン粉1袋(100円程度)を配合したもの。さらにはグレ(メジナ)やチヌ(クロダイ)にも対応できるマル秘エサなのです。特に水温の低い時期には絶大な効果を発揮。各メーカーから発売されている配合エサなんか必要ありませんよ。
混ぜ方は少しずつ海水を入れ、オカユよりやや硬め程度に仕上げるとよいでしょう。(パサパサでは撒いたときに空中で散ってしまいます。とはいえ、あまりドロドロに薄めすぎても撒きづらくなるので注意)
ちなみにヤマシタから発売されている「砕きジョーズ」を使えば凍ったアミエビでも簡単に崩れます。(刃先が鋭いのでバッカンに穴があかないように注意)
その他
クーラー・タオル・ハサミ・プライヤー・ファーストエイドキット、網袋またはスカリなども用意しておくとよいでしょう。なお、早春の海辺はまだまだ寒いので服装は万全にしてお出かけ下さい。