晩秋にさしかかると関西では大勢の釣り人が堤防へと繰り出します。
この時期、それもわざわざ肌寒い夜の時間帯に出かけていくのはなぜでしょう・・・。
そう、「タチウオ」が接岸してくるからなのです。
ターゲットの紹介
今回の標的はファミリーフイッシングの中でも比較的簡単に釣れるタチウオ。立って泳いでいることから「タチウオ」と名づけられたという説や刀を連想させる魚体の輝きから「太刀魚」と呼ばれるようになったという説もあります。釣れた瞬間の太刀魚は実に鮮やか、マブイ奴。この輝きの要素である「グアニン」はマニキュアや真珠の材料にもなるというから驚きです。性質は極めてどう猛。そのいかつい顔を一目見ればすぐに判断できることでしょう。主食はイワシやアジ等の小魚。貪欲なタッちゃんはルアーでも簡単に釣れます。釣期は7月~12月。夕闇せまる時間帯を狙って釣り場へと出かけます。シーズン初めに釣れるものは俗に言うベルトサイズ(小型)。9月頃に一旦小休止となった後、10月の冷え込みと同時に再び群れが接岸してきます。初冬にかけては波止からでも肉厚の大型(70~100センチ級)が釣れるので楽しみ。関東近郊では船から狙うのが主流のようですが、こちら関西方面では波止から狙うのが一般的。釣り方は「電気ウキ釣り」と「ひき釣り」がありますが、今回は初心者でも釣りやすい
電気ウキ釣りを紹介していきましょう。
持参するタックル(道具)の確認
4.5メートル前後の磯竿(硬調)
磯竿を選ぶ場合、竿の長さは4.5メートル程度。太さは2~3号のものが良いでしょう。主に数十メートルほどブン投げて釣るので硬めの竿がベストと言えます。13フィート(約3.9メートル)のシーバスロッドでもオーケー。最近はタチウオ専用竿といったものまで発売されています。タチウオは半夜釣りのため、できれば糸絡みの少ないインターラインロッドがおすすめです。
中型スピニングリール
4~5号糸が100~150メートルほど巻けるもの。
~仕掛け・小物類~
ウキ止め糸
タチウオの電気ウキ釣りでも遊動式仕掛けを使用します。ウキ止めはゴムタイプよりも摩擦力の強い糸タイプのものがお勧めです。タナがズレてくるので釣行ごとに取り替えた方がよいでしょう。
シモリ玉・シモリウキ
遊動ウキをウキ止め糸部分に停止させるために使います。この釣りでは小サイズのものがよいでしょう。
電気ウキ
タチウオ狙いではチヌやメバル釣りで使う電気ウキと異なり、大型のウキを使います。僕が愛用しているのは画像中央の単三電池を1本入れる自立タイプ。安価(500円程度)で使いやすいという点がお気に入り。最近では魚に違和感を与えないよう3~5号程度の棒ウキタイプ(2点発光)を使う人が増えてきました。また、ウキのトップにケミホタルがセットできるものでも構いません。
スナップサルカン
遊動ウキ仕掛けを作るための連結金具。電気ウキの管部分に取り付けます。
クッションゴム付きオモリ
釣り場の状況にあわせ、3~5号を使用します。これより軽いオモリではキビナゴをつけた時にウキが沈んでしまいます。また、クッションゴムはタチウオの強烈な引きから衝撃を吸収してくれます。
からまん棒
スナップサルカンのすぐ上の位置にゴムカンでからまん棒を固定します。
市販のタチウオ仕掛け
アタリがあってもなかなか針に乗ってくれないタチウオ釣り。最近では水平に針が数本ついたタイプと垂直に針が数本ついたタイプがよく売れています。ハリスはノコギリのような歯を見てもお分かりのとおり、通常のナイロンでは噛み切られてしまいます。(ワイヤーの40番~50番が主流。)食い込みを重視し、どうしてもナイロンハリスを使う場合はチモトにビニールパイプ等を被せているようです。なお、仕掛けのスペアは多め(5~6セット)に持参しましょう。
ケミホタル
光るものに近づいてくるタチウオ。タチウオ専用のケミホタルサイズは50ミリ、75ミリ、100ミリの3種類。大きいものほど発光力が強いので有利なように思われがちですが実はそうではありません。経験上、グリーンカラーの50ミリが実績抜群です。
玉アミ(タモ)
海面まで高さのある堤防などから竿を出す場合を考え、5メートル前後のものを持参。堤防上まで一気にゴボウ抜きされる方もおられますが、クネクネと暴れ、針外れするケースも考えられます。
ヘッドライト
半夜で狙うタチウオ釣りには必携のアイテム。予備の電池を忘れずに。
キビナゴ
タチウオ釣りで使うキビナゴは冷凍物。風にあたるとカラカラに乾燥してしまうので、使う分だけクーラーから取り出すようにして下さい。数回キャストすれば身がボロボロになってきますので新しいものと取り替えること。
その他
クーラー・タオル・ハサミ・プライヤー・ファーストエイドキット(バンドエイド・消毒液等)なども必要です。