今回も、前回に引き続き潮に関するお話をさせていただきます。
波止釣りのポイント(第13回目とリンクして下さい)と潮の流れとは切っても切れない関係にあります。
潮の流れを頭に入れたうえでポイントを探せば、釣果は必然的にアップすることでしょう。
~潮の流れをよみ、ポイントを知る~
潮の流れについて1及び2をご参照下さい。波止に潮の流れがぶつかる側を「潮表」、流れが当たらない裏側を「潮裏」といいます。
潮表と潮裏は、潮流の向きによって変わりますので、潮の動きには注意が必要です。
潮流が波止の先端にぶつかると潮裏にはウズができ、このウズを「潮目」と呼んでいます。潮目は速さの違う潮流が並ぶところや向きの違う潮流がぶつかるところにも発生し、エサが集まりやすく魚の溜まり場となります。
第13回の講座でも触れましたが、波止の先端部分は外からの速い潮流と港内からの副流がぶつかって潮目ができるため、好ポイントとなっているようです。
潮目は海面に帯びを敷いたようにくっきりと現れるので、肉眼でもはっきりと分かります。
また、潮が右から左に流れている場合、右側(潮が流れてくる方向)を「潮上」、左側(潮が流れて行く方向)を「潮下」と呼んでいます。
エサは常に潮上から流れてくるので、魚は必ず潮上を向いています。
このことから波止(海)釣りにおいては、潮目や潮上といったポイントを狙うことが鉄則となっています。
~海釣り公園における潮のよみ方~
それでは次に、海釣り公園(桟橋)の一例をあげて、潮の流れを基にしたポイント解説をしていきましょう。(全ての海釣り公園がこのような桟橋形式にはなっていません。念のため。)
海釣り公園については桟橋(支柱)を中心に作られているところが多いようですが、このような場所でも潮の流れをよみ、流れる方向を見極めることが大切となってきます。
例えば、Aの釣り座からウキ釣りをする場合、潮が沖から手前へと流れてくるため、釣りにくい場所となります。どういうことかというと、沖合にウキを流していても除々に手前へと流れてきて、ついには桟橋の下をくぐり抜け、背後にまわってしまうことになるのです。そうなると、桟橋(支柱)に仕掛けが絡んだり、後部(釣り座B)に釣り人が入っていた場合はオマツリ(他の釣り人と仕掛けが絡んでしまう)をしてしまいます。
逆にBのポイントでは、ウキを真下に浮かべていても、潮の流れにのってどんどん沖合へと運んでいってくれます。そのため、わざわざ仕掛けを沖合へ振り込む必要はありません。当然のことですが、潮の流れが反対になれば釣り座AとBの状況はこれと全く反対になります。
また、Cの釣り座で竿を出す場合には、仕掛けが右からへ左と流されるため、左側の釣り人とオマツリしないように注意していればよいでしょう。
海釣り公園では、釣り人が多数押しかけるため、常に潮の流れを頭に入れていないことには、オマツリ(隣の釣り人と仕掛けが絡んでしまう)する恐れがありますのでご注意下さい。
~潮の流れが速いポイントでの攻め方~
海峡付近におけるポイントについては、普段から潮の流れがとても速くなっています。
潮流の速いポイントでウキ釣りをする場合、重目のオモリをつけないことには、仕掛けが設定したタナより上層へ浮き上がってしまうという問題が生じます。
そのため、このようなポイントを攻める場合は、
1オモリを重くする(ハリスの中間にガン玉を打つ場合もあります)
2ハリスを短くする
といった処置を講じる必要があります。
波止におけるウキ釣り(チヌ・ハネ狙い)の場合、普段は0.5~1号程度のオモリを使用しますが、潮流が速いポイントの場合は、2~3号を使用するとよいでしょう。しかし、2~3号を使用してもまだウキが斜めになって流される場合(例えば、激流ポイント<関西では神戸~明石周辺>で大潮と重なった日)は、4~5号のオモリを使用する必要があります。これでほぼ設定したタナに落ち着くはずです。
次にハリスの長さですが、普段は矢引き(1メートル)から1ヒロ(1.5メートル)を標準としていますが、潮流が速い場所ではハリスが浮き上がってしまうので、50センチから半ヒロ(75センチ)くらいにするとよいでしょう。また、ハリスにガン玉を打つというのもひとつの方法です。
ただ、オモリを重くすることのリスクとして、魚がエサを加えた時に違和感を与えてしまうので食いが悪くなったり、ウキに微妙なアタリが出にくくなることは事実です。
天候・風向・水温・潮の流れや干満状況などは日毎に変化していまフィールド(釣り場)におけるこれらの状況判断をもとに、その日の仕掛け・エサ・攻めるポイントなどを決めることができるようになれば、すでに上級者のレベルに達している(あえて達人と呼ばせてもらいます)といっても過言ではないでしょう。