第22回目の波止釣り講座は、毒をもった魚たちのお話をさせていただきます。
子供たちなどは特に、うれしさのあまり釣れた魚を無造作につかんでしまうといったことが多いものです。知らない魚、わけの分からないものが釣れた時は、触る前にまず、周りの釣り人に聞くようにして下さい。また、毒はないが、鋭いエラやヒレ、歯などを持った魚もいますので、こういったものにも注意が必要です。今回ご紹介する危険な魚たちは、釣りをする上で知っておいてもらいたいものですので、是非覚えておくようにして下さい。
~刺す魚たち~
アイゴ(バリコ)
磯釣りでは、人気のある魚で専門に狙う釣り人もいるほどです。関西では夏~秋頃に堤防からのサビキ釣りにも掛かってきます。背ビレ、腹ビレ、尻ビレのトゲから毒を出し、刺されると長時間激しく痛むので注意が必要です。
ゴンズイ
夜釣りでよく釣れる魚です。背ビレと胸ビレに毒をもつトゲがあります。死んでも毒が消えませんので気をつけて下さい。
アカエイ
投げ釣りでまれに釣れ、尾に1-3本の毒を持ったトゲがあります。
靴を突き抜けるほど強力なトゲのため、蹴ったりしないようにして下さい。
オコゼ類
ハオコゼ
ハオコゼは小魚ですが、背ビレに毒をもったトゲがあり、波止釣りではよく釣れてくる魚です。刺されると激痛が走ります。
オニオコゼ
オニオコゼは、見た目にもヤバそうな魚で、背ビレに毒のトゲがあり、刺されると生命に危険を及ぼすこともあるほど強烈です。
~噛む魚たち~
カマス
タチウオ
大きく裂けた口には、鋭い歯がズラリと並んでいます。針を外す時には、ラジオペンチ(プライヤー)などを使うようにして下さい。
フグ類
おちょぼ口に似合わず、ハリスを噛み切ってしまうほどの硬い歯を持っています。口元に指を近づけないようにして下さい。
~切る魚たち~
エラブタがたいへん鋭く、うっかり触ると手を切ります。また、背ビレと尻ビレも鋭くとがっているので、刺されないようにして下さい。
スズキ
メバル
カサゴ
カザミ
緑色をしたカザミ類や鮮やかな青みを帯びた「タイワンカザミ」は、投げ釣りで時折、引っかかってくる「カニ」です。ハサミが大きく、はさまれると痛いですが、とてもおいしいカニです。
~食べたら危ない魚たち~
フグ類
フグは、卵巣や肝臓に「テトラドトキシン」という猛毒をもっています。
この毒は神経に作用し、死に至らしめるほどの強烈なものです。食べる場合は、必ず、フグ調理師免許を持った人にさばいてもらうようにして下さい。皮、肉などに毒素をもったフグもいます。
毒魚は、夜釣りで釣れることが多いようです。もし、このような魚を釣ってしまった時は、魚体に触らないようにすることです。また、トゲなどは、ぶ厚いタオルでくるんでも貫通することがあります。小型であれば、「メゴチバサミ」や「アイゴバサミ」とったもので魚をはさみ、ラジオペンチ(プライヤー)で針を外すようにしましょう。なければ、ハリスを切ってしまうほうが安全です。
万が一、刺された場合は、病院へ直行して下さい。
応急措置としては、刺された部分の毒を吸い出す、または、毒の本体であるタンパク質は熱に弱いので、タバコの火などで傷口を焼くといったことも効果的です。