実釣レポート34(兵庫県・六甲アイランド編)

波止釣り 実釣

<釣行当日のデータ>

釣行日:平成12年1月29日(土)

釣り場:兵庫県・六甲アイランド

天候:晴れ

水温:11°C

潮:小潮

風向:北西

ルアー:Mariaシンキングミノーザ・ファーストXJ-370ミリ

釣果:ハネ45センチ1匹・51センチ1匹・セイゴ15~20センチ3匹

ポイント図:別添図をご使用ください。

仕掛け:別添図をご使用ください。

いやー、それにしても寒いですね。今回は厳寒期にもかかわらず、最近巷で大ブレイクしている「ソルトウォーターフイッシング」に挑戦してきました。ソルトウォーターフイッシングとは、名前のとおり「海でのルアー釣り」。十年ほど前にはあまり注目のされていなかった分野です。しかし、堤防へ繰り出してルアーをキャストしてみると、タチウオ・スズキ・ガシラ・メバルなどをはじめ、数々の魚がいとも簡単に釣れるということが分かり、新たな釣りジャンルというものが開拓されました。

また、軽装備で楽しめるとあって女性や子供たちからも大人気。ソルトウォーターフイッシングはレディースや若年層において釣りをはじめてもらえるきっかけというものを作ってくれました。さらには、バサーたち(ブラックバスを狙う釣り師たち)も湖沼から海へとフィールドを広げ、ソルトウォーター人口はここ近年、急増傾向をたどるに至っています。そのため、ソルトウォーター専用ロッドやルアーというものが飛ぶように売れ、景気低迷のなか釣具店もホクホク顔といった具合です。

エサ釣り主義の僕としてはあまり立ち入らない分野だったのですが、ここまで大流行するとほおっておくわけにはいきません。このジャンルのレポートを期待する人たちがいる以上、これからも機会があれば取り上げてみたいと思っています。

ここ六甲アイランドは、ルアーマンの間でも比較的よく知られているポイント。ただし、護岸のほとんどが企業の敷地内ということもあって竿を出せるポイントは限られてきます。

この釣り場へのアクセスは、車が便利。阪神高速湾岸線「六甲アイランド北」出口を降り、最初の信号を右折、次の交差点もまた右折。そし(同行者の釣果)

て次の交差点を左折すると、仮設住宅へと出ます。その裏一帯が今回のポイントとなります。(付近の道路は広いですが周辺の迷惑とならないように駐車してください。)

当日は、朝六時に現場へと到着。スピニングリールをセットした竿とタモが各1本。腰には、数種類のルアーや小物ケースが入ったポシェットを巻いているだけと、普段の釣行では考えられないほどの軽装です。「軽やかや!こんなんで釣れるんやろか」とつぶやきながらも、護岸へとむかうこととしました。同行した3人もほぼ同じ格好です。

釣り場における仕掛けの準備もエサ釣りに比べるとはるかにスムーズ。竿を継いで道糸をガイドへ通していきます。ルアー竿は磯竿などに比べるとガイド数も少なく、穴も大きいのでとても楽ちん。道糸の先にはスナップサルカンを結び、そのフックにルアーをセットします。

(スナップサルカンを結んでおくとルアー交換がスムーズです。)

本日は人気のシーバス狙いということで、ミノーまたはバイブレーションを使用します。この釣り場てはいずれも「シンキング」と称されるタイプ(沈むルアー)がいいようで、実績カラーは、赤系もしくは金系。サイズも70ミリ前後の小型がヒット率も高いということです。

こういった情報をもとに、僕は「Maria」から発売されているミノータイプの「ザ・ファーストXJ-370ミリ」を選択し、本日のファーストキャスト。30メートルくらい飛んだでしょうか、今日は季節風がほぼ正面から吹いているため飛距離はあまり伸びません。

シーバスは早朝の薄暗い時間帯が絶好のヒットチャンス。条件の良い日には、シーバスの活性も高く、水面でもヒットすることがあります。

期待の中、リールを巻く手にも力が入ります。

少し離れたところでは、もうお馴染みとなっているM井さんがキャスト、キャストの連続。ただ、ロッドが1.8メートルと短いため、ルアーを足元までリトリーブ(リールを巻き、ルアーを引いてくる動作)してくるのがとても辛そうな感じです。ボートから釣る場合には問題ないのですが、堤防では水面まで高さのあるポイントがほとんど。できれば、2.4メートル~3メートルくらいは欲しいところです。とは言え、1日何百回とキャストを繰り返すこの釣りでは、これ以上の長い竿を使うと負担がきつくなり、疲れが残る結果となってしまいます。専用ロッド購入の際には、このあたりのバランスを考えて選ぶようにされるとよいでしそうこうしているうちに、N村氏のロッドにヒット。すばやくタモ持ってかけつけ待機し、状況を見守ります。N村氏のショートロッドはグングンと締めこまれ、くの字に曲がっています。数分間のやりとりの後、獲物はようやく水面に姿を現しました。すくい取ったのは50センチオーバーのシーバスです。

指を加えて魚を眺めていると「きた、きた」と今度はF島君からの叫び声。

はじめは聞こえないふりをしていたのですが、そういうわけにもいかずタモですくってやることに。しかし、タモの必要はない30センチ足らずのセイゴでした。「雑魚やのに、いちいち俺を呼ぶなよ」と言うと、「タモを持ってきたはるんわ、あんさんだけやから」との返事。

僕は再びポイントへと戻り、何十回となくキャストを繰り返してはみましたが依然としてアタリなし。また、停泊中の船影なども攻めてみましたがこちらもシーバスの気配はありません。

しばらくすると、またまた「タモ持ってきてぇー」との声。今度はM井さんです。彼のロッドは大きくしなっていて、「ジーッ、ジーッ」とドラグも悲鳴をあげています。足元ですごいジャンプを見せましたが、無事ランディング(タモ入れ)成功。45センチのこれまたシーバスです。

ヒットしたときの様子を聞いてみると、波止際を丹念に探り歩き、ほぼ足元で食わせたということ。最近流行の「テクトロ釣法」です。ちなみに「テクトロ」とは、テクテクと歩きながら波止際を引いてくる釣り方なのでこのように呼ばれています。

ひとりだけ釣果に恵まれていない僕は、マネをせざるをえない状況にあるため「テクトロ」でもって波止際を何往復かしてみました。しかし、これまた反応はありません。

時間は刻々と過ぎていきます。あせる気持ちの中、1匹も釣れない僕にはさらなる悲劇が襲います。何と、波止際の障害物にルアーが引っ掛かってしまったでは、あーりませんか。僕の大切な「Maria様」が・・・。

ガッチリとしたフッキング。竿をあおっても絶対に外れないでしょう。

竿が破損する恐れがあるので、糸を手に取り引っ張ることに。もちろん手袋は着用しています。

「ブチッ!」ものすごい音とともに、高価なルアーは海のもくずと消え去りました。この瞬間「なにが、テクトロや。俺はエサ釣りが好きなんや!」あまり言いたくないのですが、これが今の正直な気持です。

午前11時。日が高くなったせいか、周囲でも全くアタリはなくなりまというわけで、無念の納竿。他の3名はさらに3匹のセイゴを追加していました。

仲間たちの魚をすくっただけの1日。ボーズとぼやきに終わっただけの1日。まさに「厄日」だったと言えるでしょう。

機嫌よく竿を納めた仲間たちからは、「まぁ、こんな日もあるで」との慰めの言葉。経験のある方も多いことでしょうが、結構グサリとくる言葉なんです。僕は今年で34歳。「もう、お前らとは釣りに行けへんわ。」との子供じみたヒネクレ文句など言えるはずもありません。「今日、僕は何をしにきたんやろか・・・」

長い釣り人生の中、こんな日もあるということでしょう。

~関西波止釣り情報(兵庫県・六甲アイランドの現況)~

現在、六甲アイランド周辺では、早朝もしくは夕方の時合いにハネが釣れています。70~90ミリ程度のシンキングミノーやバイブレーションが日によりかなりムラがあるようですが、大潮まわりの潮がよく動く日を狙った方が確率はよさそう。時折、60センチを超える大型も出ているようです。

寒いので、防寒対策は万全にしてお出かけ下さい。

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