<釣行当日のデータ>
釣行日:平成11年12月4日(土)
釣り場:和歌山県・和歌山マリーナシティ
天候:晴れ
水温:16°C
潮:中潮
風向:北東
エサ:タチウオ狙い:キビナゴ
アオリイカ狙い:エギ
ガシラ・メバル狙い:シラサエビ
カレイ狙い:マムシ
釣果:ガシラ15センチ及び20センチ各1匹
ポイント図:別添図をご使用ください。
仕掛け:タチウオ狙い:別添図をご使用ください。
アオリイカ狙い:別添図をご使用ください。
ガシラ・メバル狙い:別添図をご使用ください。
カレイ狙い:別添図をご使用ください。
12月に入り、西暦2000年まで1ヶ月をきりました。ノストラダムスの大予言はもうないのか、コンピュータ2000年問題はどうなるのか、などなど巷では大騒ぎしている様子。そんなことに構ってられない、僕はとにもかくにも釣り一筋。今回は、一度竿を出してみたかった「和歌山マリーナシティ」へ行ってきました。
結果は果たして・・・。
12月4日、昼食を済ませた僕は午後1時過ぎに自宅を出発。阪和自動車道を和歌山方面へ向けエンジン全開です。
この釣り場へのアクセスは阪和自動車道「海南」出口を降り、海南発電所の煙突を目指して国道42号線を北上します。国道沿いには「和歌山マリーナシティ・ポルトヨーロッパ」と書かれた看板や標識がたくさん掲げられているのでそれに従い進めば、道に迷うことなくたどり着けます。マリーナのブリッジを渡り、直進すると突き当たり。左手がポルトヨーロッパ、右手が駐車場(1日400円)、正面が釣り場となっています。途中、国道沿いには大型釣具店「フイッシング・クリモト海南店:TEL0734-82-3097」があります。釣具はもちろん、虫エサ類やシラサエビ、アミエビ等、活きエサは多数常備。当日の狙いはそろそろシーズンインの「カレイ」、各地で不調と言われている「タチウオ」、水温が高いのでまだ残っているかもしれない「アオリイカ」、押さえに「ガシラ、メバル」と、めちゃめちゃ欲張りな狙い方です。「○頭を追う者は1頭も得ず」とかいうコトワザもありまして、これだけいろんな釣りものに手を広げた時は決まってボーズのパターン。でも、よけいな心配はしないでおきましょう。先行き真っ暗となってしまいますので。
店でマムシを1000円分、そしてアミエビとシラサエビを500円ずつ買い込み現場へと到着。駐車場へ車を止め、キャスターに釣り道具を積んで波止の北側から竿を出すことにしました。
マリーナシティの波止はとてつもなく広大。一文字が陸続きになっているといった感じです。沖向きには大人の腰ほどの高さにコンクリートの手すりがあり、竿を立てかけておけるので便利。内向きも同様に手すり(こちらは鉄製)が設けられており、船釣り用の竿受けなどを取り付けて釣っている方もいます。
まず、今日の最初の狙いはカレイです。投げ竿を準備し、マムシ(岩イソメ)をたっぷりと針に刺しました。マムシは粘りのある肉汁が強烈な臭いを発します。それにより、カレイをはじめチヌ、マダイ、アブラメなどの大物が釣れるので、全国的にも人気のあるエサです。ちなみに僕は中学生の頃、マムシで40センチほどのイセエビを釣り上げたことがあります。その時ばかりは、周囲の釣り人がどっと押し寄せ、一躍スターになることができました。
話を戻しますが、カレイ狙いの投げ竿を勢いよく振り切ると、50メートルほどのポイントへ仕掛けが着水しました。手すりに竿を置き、糸を張ってアタリを待つことにします。投げ竿はこのままにして、次はアオリイカを狙うことにしました。エギに道糸を結んでいると、遠くから磯竿をかついだ人相の悪いおっちゃんが僕の方へと近づいてきます。
グリグリのパンチパーマ、当てすぎです。北島のサブちゃんといったところでしょうか。パーマ屋で頭にかぶる遠赤外線ドームみたいなやつの温度を上げすぎていたのか、それともかぶっている時間が長かったのか。いや、いや、そんなことを考えてる場合ではありません。
「いんねん、つけられるんとちゃうか」一瞬の不安が脳裏をよぎりました。しかし、僕は何も悪いことはしていません。ただ、心の中で「パーマ当てすぎとちゃうの」と思っただけ。それからは、目も合わさないようにしているほどです。そんなことを考えているとも知らず、サブちゃんはすごい形相でどんどん僕の方へと近づいてきます。そして、「兄ちゃんもイカ釣ってるんか」と、やさしいトーンの声。「はい」と、返事をすると、「足元はようさん石が沈んどるから、根掛かりせんように気つけや」と、とても親切にアドバイスしてくれました。「やさしいやんか」とホッと一安心。これで釣りにも集中できます。
サブちゃんのアドバイス通り、エギを足元へ巻き寄せてきた時は底へ掛からないよう注意しました。それでも、相当な捨石が入っているせいかすぐに根掛かり。このような場合、あまり竿をあおると破損する恐れがあるのでタオルを手に巻き、その上から道糸をつかんで引っ張ります。すると、スッと抜けました。「エギはやられたか」と思いましたが幸運にも救出することができました。
投げ竿の方はというと、15分間隔くらいでエサを付け替え、何度も投入していますが全くアタリなし。
午後4時、日暮れも近づいてきたようなので、投げ竿は納竿。本日は残念ながらカレイの顔は拝めませんでした。次はいよいよ電気ウキ釣りによるタチウオ仕掛けをセットします。今年は最悪の状況らしいタチウオ。果たしてヒットしてくれるでしょうか。今日は何だか胸騒ぎがします・・・。
エサのキビナゴをつけ、電気ウキとともに仕掛けを沖合いへ振り込みます。そのかたわらで、イカを狙って再度エギング。
周囲もだんだんと薄暗くなり、絶好のタチウオ&イカタイム。電気ウキの明かりもはっきりと見え出すようになってきました。すると、突然エギングをしていた竿にグンといった重みが「乗ったか・・・」はからずも地球でした。竿をあおりましたが簡単には外れません。仕方なくさっきと同じように道糸を持って引っ張りました。「ブチッ!」鈍い音とその感触が手元に伝わってきました。エギはマリーナの海底で無念の戦死。今日は1本しか持参してなかったので、残念ながらルアー竿は納竿としました。
くやしい思いの中、「タチウオがあるさ」と気持ちを切り替え、電気ウキを凝視しましたがいっこうに沈む気配なし。先般来からの不調は、未だ尾を引いているようです。
このままだと、今日も最悪の結果に終わってしまいそうなので、釣り座を変更。波止の内向きでガシラ、メバルを狙うことにしました。自作の短竿による胴突き3本針仕掛けでのチャレンジです。「これもハズレやったら今日は帰ろう」そう心に決め、気合を入れることにします。
内向きではカーバイトランプ(投光器)を使ってたくさんの人がウキ釣りまたはサビキ釣りでアジを狙っています。クーラー満タンの人もいて、ほとんどの人はボーズなしといったところです。
僕は波止際スレスレのところへシラサエビを撒き、仕掛けを海底まで落とし込みました。しばらくはアタリなし。今日の流れからいって当然でしょう。2、3メートル歩き再度、波止際へ仕掛けを投入してみます。
ここもアタリなし。同じ要領で数メートルずつ波止際を歩いていき、ポイントを探っていくことにしました。
今の季節は日が暮れると底冷えがしてきます。あまりにも寒いので、水筒に入れてきたホットコーヒーを飲むことにしました。竿を手すりに立てかけ、両軸受けリールをフリーの状態にし、魚が掛かればドラグ音(ジジーッという音)がなるようにセットしておきました。これからの季節はホットなお茶やコーヒーなどを持参しなければ寒くて釣りには集中できません。また、服装も着込みすぎといわれるほどの防寒体制でお出かけください。なお、ライフジャケットは安全面のみでなく、防寒面でも大変役立ちます。その他、ホカロンや手袋などもお忘れなく。コーヒーを飲むと体が温まってきました。時計を見ると午後7時30分。もう帰ろうかと考えていた時、突然リールのドラグ音が鳴り響きました。
「ジーッ、ジジーッ」かなりの糸が出て行っているみたいです。竿を持つとズシンとした重み。掛かった獲物は、グングンと底へ走り出します。同時に波止際へと走られたので、すかさず竿を立てて対応。強引にリールを巻上げると奴は水面へと浮かんできました。その赤黒い固まりをタモですくい、波止の上でライトを照らしてみました。よく肥えた20センチほどの「ガシラ」です。何とかボーズはのがれました。
本日は結局、この後に15センチほどのガシラを1匹追加しただけで寒さのため終了。
鼻水も垂れてきたので、すばやく道具をかだずけて家路をたどりました。
足場もよく、釣り場も広大なマリーナシティ。家族連れで訪れたときはお母さんと子供は隣のポルトヨーロッパで遊んでてもらい、お父さんは釣りに専念するといったことも可能。
「お父さんは最近、どこも連れてってくれない」と、子供やママが嘆いておられるご家庭では特にお勧めの釣り場です。しかし、これからは厳寒の季節。暖かく、風の無い日を選んで行くとよいでしょう。
それにしても、今年のタチウオはいったい、どこで泳いでるんやろか。
~関西波止釣り情報(和歌山県・和歌山マリーナシティの現況)~
現在、和歌山マリーナシティ周辺では、アジ・イワシ・チヌ・メバル・ガシラ・などが釣れています。
アジやイワシは波止の内向きを狙ったサビキ釣りで平均30匹前後。また、30センチ前後のチヌはオキアミをサシエに紀州釣りでボツボツと釣れています。
メバル・ガシラは夕暮れから半夜が狙い目。シラサエビを使い、探り釣りやウキ釣りで手のひらクラスが釣れ出してきました。
また、投げ釣りで狙うカレイもシーズンインしたようですが、数はあまり釣れていません。日によってムラがあるようです。