<釣行当日のデータ>
釣行日:平成11年7月31日(土)
釣り場:大阪府・石津ゼネラル波止
天候:快晴
水温:27°C
潮:中潮
風向:南西
エサ:チヌ狙い…青イソメ
アコウ狙い…シラサエビ
釣果:フグ5センチ1匹・ゴンズイ15センチ1匹
ポイント図:別添図をご使用ください。
仕掛け:チヌ・アコウ狙い…別添図をご使用ください。
7月も終盤を迎え、関西地方ではようやく梅雨が明けました。
梅雨明け後はまさに灼熱地獄。連日、30°Cを超える猛暑に襲われています。
いくら釣り好きな方でも炎天下で1日中、竿を振っていたのではおそらく「熱射病」になってしまうことでしょう。
このような時期には、朝、夕の涼しい時間帯を集中して狙うようにし、効率のよい釣りを心がけるようにしましょう。また、足場のよいポイントで、半夜釣りを楽しむのもよいかもしれませんね。
今回は、タコが絶好調の「武庫川一文字」へ釣行する予定にしておりましたが、釣友の強引な誘いに負けて、堺市の「石津ゼネラル波止」へチヌ・アコウを狙いに行ってきました。
この周囲(堺泉北港)における埋め立て地は、俗に「堺泉北臨海工業地帯」と呼ばれています。大阪ガスやゼネラル石油など、大手工業施設がズラリと護岸の敷地を占めており、企業関係者以外は内部(陸上づたい)から護岸へと侵入することは、ほぼ不可能となっています。
そのため、釣り場へは渡船を利用して上陸する方法をとります。
おそらく、今回紹介する「エーワン渡船」では、各企業の護岸に上陸することについての内諾をいただいていることでしょう。
また、この釣り場は、最近になってようやくテレビや雑誌でも紹介されるようになり、チヌ(特にギビレチヌ)が湧いているという事実が発覚しました。もちろん、ハネ・スズキもよく釣れます。更にうれしいことには、ここ近年、幻の魚と呼ばれている「アコウ」までも釣れる可能性が高いということです。たぶん、何年も前からよく釣れていたポイントではあったと思いますが、情報が公開されるまで、限られたアングラー達の穴場的存在だったのでしょう。
この釣り場へ渡るには、まず、旧26号線沿いにある「まるは釣り具堺店(TEL0722-47-0817)」へ立ち寄り、渡船券を購入して下さい。レジで「エーワン渡船で渡りたい」と申し出ると、店のお兄さんがゼネラル波止周辺のポイント図を見せてくれます。現況を聞いた上で渡るポイントを伝えて下さい。
ゼネラル波止は地方寄りから1番、2番とポイントごとに番号が付けられており、11番まで存在します。今回は調査不足のため、詳しいポイント番号の紹介をすることができませんが、このゼネラル波止以外にも、大阪ガスの護岸にある「ガス波止」や温排水が流れ出している波止などへも渡してくれます。
なお、ゼネラル波止一帯の足場はほとんどがテトラポットですので、渡船に乗り降りする際は足元に充分ご注意下さい。滑りにくい靴とライフジャケットだけは、くれぐれもお忘れなく。荷物もできるだけ軽装にまとめられた方がよいでしょう。
また、釣り場の画像を見ていただいてもお分かりのとおり、ゼネラル波止一帯については、石油タンクがひしめきあっており「一切の火気は厳禁」となっております。愛煙家の方には少々キツイかもしれませんが、釣りを楽しむ間だけは、電車内と同様、タバコは絶対に我慢して下さ万が一、タバコの引火により火災が発生してしまった場合は…。
考えただけでも恐ろしくなりますが、あなたはもちろん、周囲の釣り人全てが「ドカン」と、一瞬にしてブッ飛ばされてしまいますので、よろしく。
ちなみに、渡船代はゼネラル波止の1番~10番と温排水が流れ出している波止へは1500円、11番とガス波止へは2000円だったと思います。(念のため、釣行前には御確認を)
レジで渡船代を払うと、渡船場までの案内図が記載された渡船券を交付してくれますので、その案内図に従い渡船場へむかいましょう。渡船は石津漁港から出ています。
お~っと、その前にエサの仕入れをお忘れなく!
この店では、各種エサも販売しております。今回は、エビまき釣りということでしたので、シラサエビを2000円分購入しました。
渡船時刻と迎えの時刻は、事前にまるは釣り具堺店までお問い合わせ下さい。(7/31の時点では、渡船は1時間おきに出船。最終の迎えは午後9時でした。)
さて、エサも購入したので、いざ渡船乗り場へ。別添案内図に従い、車を走らせると5分もたたない間に渡船乗り場へ到着しました。
そこには、赤いペンキで「エーワン」と書かれたコンテナ小屋が見えました。最初、その小屋を見た時はエーワン渡船の簡易トイレだと思ったのですが、そうではありません。立派な渡船乗り場の事務所(待合室)です。失礼いたしました。僕らは事務所のドアを開け、「こんにちは」と中を覗くと、そこはもぬけの殻でしたが、しばらくすると、ちっちゃい渡船が漁港へと帰ってきました。
それは久々に見る小型船です。神戸和田防波堤のノアノ箱船より小さいかもしれません。
渡船では、テレビ番組「四季の釣り」の帽子をかぶった、ひげ面のおっちゃんが舵を握っていました。「つぎは4時に出るから、乗っといて!」と言ってくれたので、少し早いですが、渡船に乗り込み、ユラユラと揺られながら時間がくるのを待つことにしました。
午後4時になって、ようやく舵取りのおっちゃんが乗り込んできました。釣り具店の話では、今頃は10~11番くらいがよいとのことでしたので、おっちゃんに渡船券を手渡して「10番へ行って」とお願いしました。
「今年はアコウがよう掛かるんや。でも、ほとんど根に潜られてバラしてしまうんや」と、おっちゃんはうれしい話を聞かせてくれました。
それを聞いてワクワクした気分の中、ちっちゃい渡船はポイントへ向かって出発しました。
「ポンポンポンポン」と、軽やかなエンジン音を鳴らして、船は沖へと突っ走ります。いい音は鳴っているのですが、あまりのちっちゃさにスピードが出ません。おまけに、船が小さいため横から波がきたら、ものすごく揺れます。また、船首に近い甲板に座っていると、波しぶきをかぶります。でも、僕は気さくなおっちゃんと味のある渡船が気に入りました。
10~15分ほどでポイントへと到着し、足場の悪いテトラポットに船首を接岸させました。足元に注意しながら渡船を降り、そこから数メートルほど南へ寄ったところで釣り座を構えることにしました。
時計を見ると午後4時30分。まだまだお日さんは高い位置にありまそのため、日暮れまでの時間は冷たいポカリスエットを飲みながら、ポーッと海を眺めて一服していました。
「それにしても、暑い」真夏の日差しがジリジリと僕の顔を照りつけています。
参考までにお話しておきますと、炎天下の中では脱水症状により気分が悪くなる場合があります。これを防止するには、常時水分を補給しておくことが大切です。しかし、糖分が多いジュースやコーヒー等では効果がありません。ミネラルウォーターやお茶でも構いませんが、なるべく電解質を含んでいるスポーツドリンクを飲用するようにしてください。電解質、塩分を含んでいるスポーツドリンクは熱射病、脱水症状の予防に大変効果がありますので。
話がそれましたが、そろそろ海面がオレンジ色に輝く時間となってきたので、仕掛けを準備しようということになりました。
そして、杓でシラサエビを撒ながら仕掛けをポイントへと打ち込み、気合いを入れて釣り始めました。
今回は、南よりの風のおかげで適度な濁りが入り、チヌには絶好のコンディションです。しかし、ほとんど潮が流れていないという状況が少し気になっていました。
時折、ウキのトップが押え込まれるアタリはあるのですが、アワセても、アワセても空振りばかりです。そのため、針を2号から1号へとサイズダウンしました。
すると、途端に何か針掛かりしました。スポッと、簡単に上がってきたのは「小フグ」です。案の定、エサ取りたちのアタリだったのです。ガッカリ…。
あっという間に時間は過ぎ、電気ウキの明かりもはっきりと見え出すようになりました。時計を見ると午後7時40分。絶好のチャンスタイム。何かが起こりそうな予感です。
そう思った瞬間、ウキが一気に水中へと消し込まれました。
「アコウちゃうか」と、ハラハラした気持ちの中、竿を立ててアワセました。
「あかん、軽い」そう感じながらリールを巻き取ると、魚は簡単に抜き上げることができました。何か黒い物体のようです。ライトを照らすと、な・な・なんと、やばいものが釣れていました。「ゴンズイ」で連載講座の「危険な魚たち」の中でも紹介しましたが、こいつに刺されると死に至る場合もあるほどの恐ろしい魚です。よく見ると、やはり口の周りにひげのような毒針が数本生えていました。
そいつは、「刺したろか」と言わんばかりの顔をしていたので、ハリスを切って海へとお帰りいただきました。
「粗末に扱いやがって。また、掛かったるからなぁ~!」ゴンズイさんには、そう、思われているような気がしました。
結局、このゴンズイの呪いのせいか、その後は全くといっていいほど、アタリの気配もありませんでした。そして、また、ゴンズイが掛かってきたら…。
と思うと恐くなってきたので、「今日はもう、やめとこか」ということになりました。
友人はというと、完全なボーズ。「ゴンズイでもええから釣りたかったわ」と、寂しそうな顔をしながら、わけの分からんことをほざいていました。
今回は、満足な結果に終わりませんでしたので、再度、早朝の時合にチャレンジしてみたいと思います。
~関西波止釣り情報(大阪府・石津ゼネラル波止周辺の現況)~
現在、ゼネラル波止周辺では、エビまき釣りや青イソメでの電気ウキ釣りでチヌ・キビレチヌ・ハネ・アコウなどが釣れています。
また、カニをエサにした前打ち釣り(落とし込み釣り)では、チヌ・キビレチヌが釣れています。
今年は好調だというアコウを専門に狙う場合は、ハリスを太目(2~2.5号)にした仕掛けでアタックして下さい。
アコウは掛けたら一気に巻き上げ、速やかに浮かしてしまわないといけません。
もたもたしていると、すぐに根に潜られてしまいます。
情報では、バラシ続出だそうです。