<釣りインストラクターとは?>
「釣り」は、年齢、性別を問わず誰でも夢中になれるすばらしいもの。
ここ数年では、長引く不況により金をかけず楽しめるレジャーとして、最も注目されています。
釣りを楽しむ人の数はというと、全国ではおよそ2千~3千人と推定され、今後も年を追って増加していくことはまちがいありません。
このように近年、大ブレイクした釣りブームを喜ばしく思う反面、釣り人が急増したことにより、地域ではさまざまな問題が発生しています。
釣りをしておられる皆さんには、心当たりがあることでしょう。
そう、ひとつはゴミの問題です。
都市圏の釣り場でもお分かりのとおり、釣り人の数=ゴミの数といった状況。
タバコの吸い殻、ペットボトル、空缶などは釣り場のいたるところで目につきます。また、エサのパックや外道の小魚といったものは悪臭が漂い、気分よく釣りを楽しむことすらできない場合もあります。
もうひとつは、漁業者や釣り場周辺に住んでおられる人たちとのトラブルです。
漁師さんの網を切り裂く、漁船へのイタズラ書き、車の騒音、民家の庭にある水道の無断使用、さらには民家の庭で用を足す、といったとんでもないことをする人もいます。目撃者によるとこのようなトラブルは、「若いルアーマンの人たちに多い」と証言されています。
このように「してはいけないこと」、この当たり前のことすら知らない釣り人が現実に存在しているのです。現行では未だ「ルール・マナーの不徹底」といった点が非常に目立ち、釣行するたびに「将来、釣り場はどうなってしまうんだろう」と不安に感じてしまう今日この頃です。
特にルールやマナーに関しては、釣りを始める段階から知ってもらう必要があるということ。それを知ってもらわないことには、釣りをしてもらっては困りますと言っても過言ではありません。
このことを周知徹底していかないことには、やがて気軽に竿を出せるポイントすらなくなってしまうことにもなりかねません。
これについては、マスメディアにも大きな責任があります。
僕の言う、肝心なルール・マナーの啓発などは、ほとんど見かけたことはありません。あってもわずか数秒のCM止まり。
「○○という場所で大物が釣れました。VTRスタート」とか、「××プロのテクニックをご覧いただきます」などなど、そんなことをテレビで放映している場合ではないんです。
釣りの技術なんかは、二の次。現場へ行く回数を増やせば、自然と身についてくるもの。
農林水産省ではこうした問題に対処するため、平成6年度から全日本釣り団体協議会の公認による「釣りインストラクター制度」を実施することになりました。
釣りのルールやマナー、水産資源の保護、釣り場での事故や漁業者とのトラブルなどを未然に防ぐため、広く一般の釣り人に対し指導できる人材が必要であると考えたわけです。
釣りが楽しめる環境をいつまでも残していくため、釣りインストラクターはなくてはならない存在。
その活躍は今後も大いに期待されていくことでしょう。
<釣りインストラクターの活動内容>
- 自治体等の主催による釣り教室への協力
各市町村では生涯教育の一貫として、初心者を対象にした釣り教室が開催され、地域の釣りインストラクターが講師として活躍しています。また、未開催の自治体に対しても釣りインストラクターの存在を広くアピールし、釣り教室を開設していただけるよう積極的に呼びかけています。
稚魚放流をはじめとする地域事業等への協力
大阪湾では毎年、チヌの稚魚放流事業が行われております。釣りインストラクターにおいても、積極的に参加し運営に協力しています。
その他、淀川及び大和川等で実施されるクリーンアップ(清掃事業)やファミリー海釣り大会等にも参加、協力しています。
- 各種研修会の開催
釣りインストラクターの資質を向上させるため、研修会を開催し、会員の参加を呼びかけています。また、安全知識や万一の事故に対処していただけるよう普通救命士講習会等も実施しています。
- 釣りインストラクター資格試験への運営協力
年1回開催される釣りインストラクター資格試験及び養成講習会の運営に協力しています。
- 懇親会の開催
会員間の親睦をはかる目的により、年1回懇親会を開催しています。
大阪府下では「大阪府釣りインストラクター連絡機構(JOFI大阪」」という名称で資格登録者を組織化し、上記事業を行っています。
<釣りインストラクター試験の概要>
毎年11月頃に開催される養成講習会を2日間(土、日曜日)受講し、その修了者のみが翌年1月頃に行われる「釣りインストラクター資格試験」を受験することができます。
養成講習会及び試験の実施会場は東京、大阪、名古屋、福岡などですが、年により異なる場合があります。
なお、釣りインストラクターの資格は、満20歳以上の方であれば申し込み可能となっています。
養成講習会受講料・・・1万円
<講習内容>
釣りの理論やインストラクターの心得、釣りの安全知識、漁業法など。
資格試験受験料・・・1万円
<試験内容>
筆記(論文含む)、実技(針と糸、サルカンと糸の結び方)、面接など。
筆記試験問題については、養成講習会で使用するテキストより出題されます。
試験合格者における資格登録料・・・1万円
<登録内容>
登録済証、ワッペン、バッジなどが交付される。
また、資格登録者後、大阪府下に在住する釣りインストラクターに対しては、「大阪府釣りインストラクター連絡機構」への加入をお願いしております。(年会費3千円)
なお、近畿圏に居住される釣りインストラクターにおかれましても、大阪府釣りインストラクター連絡機構への加入は可能となっております。
釣りインストラクター資格に関する問い合わせは、
全日本釣り団体協議会(03-3265-4191)または、大阪府釣りインストラクター連絡機構(06-6245-4800)まで。